モールタンブラー

モールタンブラー 透明

独立して一番最初に作り始めたコップ。

 

胴を少しふくらませて、モールはゆるめにして、光がグラスの内側にたまる感じにする。

口は大らかではあるが、あまり大げさに広げないように、内側の形を崩さないように開く。

こと、

と、なかなか自分で決めた制約が多いので、今だに一日作っても、これなら自分の理想形というものは、なかなかできない。

追えば追うほど遠くなっていくような気がする。

胴部の膨らみと、口の開き加減のバランスが吊り合っていないとダメなようだ。

この胴の膨らみなら、口の広がりはこれくらいが丁度美しい。というマニュアルがあれば楽なのだが、そんなものはもしあったとしても木っ端の役にも立たないだろう。

「作ってないと、このコップは出来なくなるぞ!」

と、独立して、最初にできた理想形のこのタンブラーを見せに行った親爺さんが、こいつを握りしめながら語ってくれたことがずっと忘れられない。

 

 

サイズ 高さ h 約115ミリ  口径 Φ 約85ミリ