福岡は好きな街だ。
「福岡」と呼ぶより、「博多」と言ったほうが、私が育った世代のせいかしっくり来る。
博多どんたく、博多っ子純情、長浜ラーメン、博多んもんは横道もん青竹割ってへこにかく、と来れば世代がバレるが、なにせ「有明」に乗って、5,6時間かけて博多駅に着いた世代だからしょうがない。
今のように高速バスではなく、もちろん新幹線でもなく、そしてカッコ良かった「特急つばめ」でもなく、ベージュ色の車体に、えんじ色のラインの、懐かしくもダサかった「特急有明」にガタゴトとゆられてやっと着いた博多駅世代なのだから、「博多」の名に愛着があるのもしょうがない。
あの頃の「博多」の屋台の熱気と毒気にやられた世代としては、今の「福岡」の雰囲気はクール過ぎるように感じるのだが、「工芸不毛の地」と呼ばれた博多の街に「風向」さんというクールでありながら内に熱気を秘めた工芸店ができた「福岡」の地もまた、油断の出来ない土地がらではある。
熱い伝統がありながら、変化が面白いところが博多、福岡の面目躍如といったところか。
ところで、博多の食べ物といえば、私は、博多ラーメンでなく、「おきゅうと」である。
どうしてあんなものが朝ごはんに欠かせないのか、よくわからないが、それでも食べてみると納得させられるのも事実だ。
また、クールな感じの「風向」さんが、お正月に大濠公園で凧を無心に上げられのがお好きというのも、納得させられる事実ではある。
そういう訳で、10月10日から、福岡、博多、の「風向」さんで展示会です。
遠くからでもぜひ、この魅力的な街にお越し下さい。